桜の季節が過ぎ、さをりの森では色とりどりの別の花が咲き乱れています。

 

美しい色に満ち溢れた2021年4月27日は、2018年に他界された城みさを先生のお誕生日でした。
ご存命なら108歳、あっと言う間の大往生でした。
さをり織りを代表して、さをりの森で咲いている花を抱えた研三さんと裕司さんがお墓参りに行かれました。

 

さをり織りの創始者であり、人々にさをり織りを広めるべくご尽力されたみさを先生。
その情熱を私は実際に拝見することはかないませんでしたが、音声やDVD、文章にて垣間見ることができます。
このブログでは、在りし日のみさを先生を写真で偲んでいただけたらと思います。

 

 
書を習っていたものの「自分の字」を書くために、手本を真似るのではなく、筆の使い方などの技術を自分の中に取り込む努力をされたそうです。

 

 
毎日のお酒がご長寿の秘訣♪

 

 
晩年は、森の緑がよく見えるお席で織るのが日課でした。織り機の間を歩くのも忘れません。

 

 

 

 
研三さんとご出勤。杖を使うのはあまりお好きではなかったようです。

 

 
現在開催中の『織り人作品展2021』も、ご存命ならきっと作品をご覧いただけたはず。。。

 

 

みさを先生の理念や言葉は、さをり哲学としてさをり織りの中に、またそれ以外の生活の中にも当てはまります。
みさを先生を偲び、さをり織りと初めて出会ってからこれまでの自分自身や織りを振り返ったスタッフでした。

 

 

コロナの感染拡大で、緊急事態宣言が発令されました。
今回は休業要請の対象外であること、広いスペースで換気が十分にできること、体験織りは予約制で人数制限をしていることなどから、さをりの森は通常通りの営業をいたします。

引き続き、感染拡大防止対策として織り機や備品、テーブル等のアルコール除菌と常時換気をいたします。

ご来館のお客様には、大変お手数をおかけしますが、マスクの着用と入口での手指のアルコール除菌もしくは手洗いをお願いいたします。
感染拡大防止、並びにお客様とスタッフの安全確保の為、ご協力の程よろしくお願い致します。

 

このような時期ではありますが、『織り人作品展2021』を予定通り開催いたします✨
今回はさをりの森大阪・東京・所沢の織り人クラスメンバー、卒業生、スタッフの1年の織り・心模様を展示販売する作品展です。
さをり服はもちろん、ストールやバッグ、ポーチ、織り布などが245点(4月23日現在、追加予定あり)集まっています💕

 

前日の4月23日、緊急事態宣言の発令を恨めしく、でもこの状況では仕方がないよねとお互いを慰めあいながら設営を行いました。
たくさんの作品をハンガーに掛けながら、作品をちらりちらりと見ていきます。

 

ご存じの方も多いと思いますがさをりの作品って、どこから頭を出すの?どっちが前?上?ってことがしばしばあります。
ハンガーに掛けてみて、何だか違うっていうのはさをりあるあるなんです。
ついには試着して確かめてみたりして、設営は楽しく進みました😊

 

ハンガーに一通り掛けたら、マネキンに着せる服を選びます。
さをりの森の作品展は季節問わずなので、ウール作品もたくさんあるのですが、初日のマネキンは季節に合った綿作品を掛けました。
その傍らで、web担当のスタッフ岡本が看板制作をしています。

 

全体を見渡すと、なんだか寂しい…?
入口にのれんか何か欲しいね~と、織り布を掛けると、雰囲気がグッと良くなりました✨
長さは揃えず、さをりらしくアンバランスに、チラリと会場内が見えるようにと工夫して掛けています。

 

もちろんこの織り布も販売品です。
あちらこちらにお気に入りの糸を挟み込んでいます。

夕方、研三さんのご友人が研三さんを訪ねて来られて、設営途中ではありましたが一足早く作品をご覧くださいました。
あらっ、これ素敵❣
と、さっそくご試着。こちらの作品はフリル織りのマーガレットで、上下を逆にして着ることができます。

 

閉館までには設営も終わり、後は初日を待つばかりとなりました。

 

本来なら、多くの方にご来場いただき作品を手に取って、試着して、さをり作品に触れていただきたいと強く思うのですが、ご無理のないようにお願いいたします。
作品展へのご来場はご予約不要です。
ご来場の際はできるだけ混雑にならないよう、配慮してまいります。

また、ご来場できない方でも作品展の様子を垣間見ていただけるよう、このブログやインスタグラム、ツイッターでも作品をご紹介したいと思います。
気になる作品やご質問は、ホームページのお問合せページ 一番下の、
>お気軽クラス・織り人クラス・森の宿り木・さをり織り技法検定・講習会についてはこちら
から、メールでお問合せいただくか、さをりの森までお電話ください☎

作品展が最終日まで無事に開催できるよう、スタッフ一同、コロナ感染拡大防止対策に努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

「好きな色はピンクだけれど、着ることを考えるとグレーで織ることが多い」という声がありました。
そうですね~、私もついつい、考えてしまいます。
さをりは織りで自己表現をするアートなんだから、思う存分好きな色や織り方でたっぷり織れるといいのに、服に仕立てるとなると欲が出るんだなぁと、自分の織りを振り返って思いました。
個性を織る、さをり織り。
その個性がにじみ出ている布を身にまとうのは、とてもステキなことなんです。
個性を抑えないで織ろうと、初心に戻りました。

 

そんなアートな作品が集まるのが、さをりの森のベガスの会です。
3月の第2弾をご紹介いたしますね。

 

🍭ブラウス(綿)袖を伸ばした写真を撮り忘れました…。作家さんの大好きな形で、横長の布を肩から袖口にかけて切り落とし、その落とした部分を裾に持ってきたデザインです。裂き布を使って疑似二重織りをした部分がアクセントになっています。
 

 

🍭ブラウス(シルク・アクリル)黄色で織りたくて、ありったけの黄色いシルクを引っ張り出して織った布です。織り始めの分け織りを胸に、その下でドラえもんのようなポケットを忍んでいるんです。二重織りの上側を分け織りにして、透かし模様?を創っています。

 

🍭ワンピース(綿・抄繊糸)袖は横にまっすぐ、下側をバイアスにしているワンピースです。細かいルーピングでボリューム感が出ています。抄繊糸(和紙の糸)も使っているので、やや張り感がある部分もあり、綿だけとは違う肌触りが面白いです。

 

🍭ワンピース(綿・ストレッチ糸)胸元の濃い紫色がストレッチ糸で、二色交差にしたりしなかったり。肩のあたりの布は綿なので縮まず、袖先がピンと立っているのが可愛くなっているのでそのままにしたそうです。ストレッチの周りのギャザーもステキですね。

 

🍭ワンピース(シルク)メリハリの効いた二色交差で、オトナ可愛いワンピース。シルクならではの、てろ~んとした柔らかさと、写真では伝わりにくいのですが光沢が素敵なんです。すっぽり着やすいデザインです。

 

🍭ワンピース(綿)藍染めの糸も使って織っています。右前身頃の布は織り終わりにタテ糸を長めに切ってヨコ糸として織り込むタテ糸減幅織りで、左側はカットして三つ折りしています。SAORIのお仕立て【中級編】のハイネック袖付き袋縫いワンピースの要領で脇をくり抜き、袖を付け足しています。

 

🍭ツーピース(綿・アクリルなど)スカートは以前仕立てた(…コート…だったかしら💦)作品のリメイクです。細幅で思いの丈を織り込んだ布が、らせんスカートになりました。ぴゃむぴゃむヤーンもいっぱい主張しています。ベストはサロペットパンツを購入し、自分サイズにあちこち切って繋いで、さをりの布をあしらっています。

 

🍭スカート(綿)写真左の裾。長いかなぁと切ったんだけど、短くなったのでまたもや縫い合わせて元に戻したそうです。さをりのお仕立ては足したり引いたりしても、布が悪目立ちしないというか…気楽で楽しめるんじゃないかなぁと思います。

 

🍭パンツ(綿)ご自分では今までに織ったことがないピンクなんだそうです。かなりワイドなパンツを作りたかったので、50㎝幅×5mの布を使っています。布の端のフリンジは足元近くと膝上あたりでポイントに、大きめポケットもお気に入りポイントです。

 

🍭パンツ<参考作品>写真では伝わりにくいかもしれませんが、布を横に使ったお仕立てです。裾幅を狭くしたくて、でもギャザーやタックを使わずにストレートにしたくてと色々思案したお仕立てです。

 

作品発表の後は、ワイワイと試着会が始まります。
自分が仕立てるならサイズを変更しようかしら…
この織りはどうなってるの?
この仕立てはここが苦労してね~などと、作家さんの交流会です。
もちろん見学の方も、試着したり意見交換したり。
作品を見るだけではわからないことを知ることができます。
見学をご希望の方は、さをりの森へお問い合わせくださいね。