締め切りが近づいてから慌てて織ったり仕立てたり。
毎月わかってるんだから早めにしておけばいいのに…と思いつつも、気が乗らないと動けないんですよねぇ🍄

お知らせが遅くなっている、12月のベガス作品パート2をご紹介いたしますね。

 

🍭ブラウス(カシミヤ)こちらは前後どちらでも着ることができるデザインです。布を前から後ろに、後ろから前に、下の段にとぐる~っと回して縫い合わせるお仕立て。写真で伝わるかしら…黒なんですが、モコモコさせたりして遊び心が垣間見える織りなんですよ。

 

🍭ジャケット(カシミヤ)毛足の長いカシミヤをポイントに使って織った作品です。ルーピングでボリュームを出した部分を襟にあしらっているので首回りもあったかいんです💕仕立てで出てきた端切れをパッチワークのように縫い合わせてポケットにしています。


 

🍭ジャケット(ウール)29歳の息子さんが着るイメージで織って仕立てています。布が足りなかったので、袖と前立ての部分はストールを流用しています。渋い色ながら、所々にある黄色のパンチが効いていますね~💛

 

🍭コート(ウール)リバーシブル織りの布なので、襟や袖を折り返した部分の色が違っています。今回はリバーシブルを活かすためにシンプルに、所々挟み込みでランダムにアクセントを入れています。ベージュで着たりグレーで着たり、1着で2度おいしいコートです。

 

🍭マーガレット(ウールほか)冒険したくて織った第1弾❗かぎ針編みでテープ状に編んだものを織り込んでいます。レンガに見えるように糸をつなげて挟み込み、超ウルトラ変わり糸を使ってお花に見えるように織っているのが可愛いんです🌼🌼🌼

 

🍭マーガレット(ウールほか)冒険したくて織った第2弾❗❗織りはじめと織り終わりに分け織りをして襟付きのマーガレットに仕立てています。こちらは上下逆でも着ることができ、分け織りが襟にある時にはボタンを留めると襟の雰囲気がグっと変わります。
 
 

 

さをり織りは機械織りで織った画一的な製品とは違う、人間ならではの織りを目指します。
自分でテーマを決めて織ってみたり、気の向くままに織ってみたり、その時々の気分で同じ人でも全然違う雰囲気の作品を織ることもあります。
作家さんのその時々の心模様を映し出しているのがさをり作品なんです。

さをりの森でご来館の際は、2階ギャラリーにて展示販売していますので、ぜひご覧ください。

織り人さんに、こんな可愛い糸がありますよ~と紹介しつつ、つい自分も買ってしまいます。
また、興味がなかった糸でも誰かが作品で使っているのを見ると、ついココロが動いてしまいます。
そんなこんなで糸まみれ。今年の目標は、手持ちの糸を織る、です🍄

そして、12月のベガスの作品でもココロが動いてしまっていました…
改めて写真を見ると、やっぱり欲しい。でもその糸は、もう、ない。。。

 

🍭ストール(ウール)初の筬なし織り。筬がないのでタテ糸を広い範囲で動かして、タテ糸の模様を作る織り方です。そして、普通ならヨコ糸を入れたら筬で糸を打ち込むのですが、シャトルで織ります。裾でちょっぴりX交差織り(クールクロス)もしています。
 

 

🍭ストール(ウール)ビビッドカラーの段染め糸と大胆に挟み込んだ羊毛が、ストールの裾で「私に気づいて❣」と叫んでいるようですね。
 

 

🍭ベスト(ウール・綿)細幅の布のベストです。襟は前→首→前と、グルっと回して付けています。後ろ身頃中央の裾でふんわりと広がっているのは、拡幅織りで布幅を広げているんですね。

 

🍭フード付きロングベスト(ウール)私にしては軽い布を織ったのよ☺、とご満悦の作品です。外付けポケットが1つと、反対の脇はスリットでなんちゃってポケット。ボトムスのポケットに手が入れられるスリットなんです👏

 

ベスト(ウール)布の途中で分け織りをして、また戻してはつり目を作っています。布幅の変化が面白いですね。段染め糸を使っているのですが、ヨコ糸に同じ糸を使った部分が十字模様になっています❤

 

🍭ジャンパースカート(ウール・化繊)毛足の長い化繊糸を使いたくて織った布で、3枚はぎです。後ろの裾で、織り布がパタパタと開く屏風織りをしているので、着ると布がふんわりと広がって揺れるんです。

 

🍭ワンピース(ウール・化繊)仕立ての過程で出た端切れを襟にしています。赤のブラウスの下側は黒タテ糸で織った別布です。途中からタテ糸重ね織り(タテ糸追加)をして色を変えて、フリンジには羊毛を撚り足しています。

 

さをり織りは自分自身を織ります。
楽しい気持ちの時もあれば、沈んだ気持ちの時もあります。

糸を触ったり織りながら自分の心の状態に気付くことがあります。
気分が変わっていったりもします。

人間だもの、その時々で変わって当たり前なんですよね。
そんなココロ模様を織り込んださをり作品をさをりの森の2階ギャラリーで展示販売しています。

織らない人でも、織った作品を見るだけで元気になりますし、さをり服を着るとほんわかあったかい気持ちになります。
ご来館の際にはぜひギャラリーをご覧くださいね。

昨年からのコロナ禍で右往左往した2020年から2021年へと突入したものの、まだしばらくは続きそうな雰囲気ですね。
こんな時こそ、自分自身の動向などを見直してココロ穏やかに過ごしたいなと思う、スタッフ吉野です🍄

本年もスタッフ一同、今まで以上に消毒や換気に留意し、皆様を笑顔でお迎えする所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、本日1月10日は、さをり織り創始者である城みさをのご命日です。
ちょうど3年前、苦しむことなく大往生を遂げました。

 

1969年。自分の織った布にタテ糸が1本抜けていた。
織物の常識に照らせば傷物。
しかし、何か趣きがある、自分としては気に入っている。
これを傷とみるか模様とみるか、見方次第で物の評価は180度変わる。
よし、一度常識から離れて自分の好きなようにやってみよう、
どんどんキズを作ってやろう…。

 

そんな気付きから創まったさをり織り。
日本にとどまらず、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスなど世界各国でもさをり織りは広がっています。2018年3月に開催した城みさをを偲ぶ会には、300人以上もの方が集まり、みさを先生の偉大さを痛感しました。

 

さをり織りを創めて6年経った1975年。
哲学的な思想を持つさをり織りの、指針となる四つのスローガンが決まりました。

 

機械と人間の違いを考えよう
それは自由にものを考える力を持っていることです。感情を表現できることです。その出来栄えはまづくても、自分の考えたことは尊いと自信を持ちましょう。

思い切って冒険しよう
売るために作られている市販のものは売れないと困るから、平均的なものだけを作ります。我々は売り物ではない自分のものを作れば良いのです。それが最高に楽しいことですから大いに冒険しましょう。

キラキラと輝く目を持とう
いつもキラキラと輝く目をもって、何事も良いものは見逃さないぞという意気込みで暮らしましょう。

グループのみんなで学ぼう
遠慮なくグループのみんなに教えてもらい、その代わり自分も良いものを作って見ていただきましょう。

 

注釈については50年の間により良い表現に変わっている部分がありますが、根っこのところは変更なく、今も受け継がれています。さをり織りを楽しむ方の中に息づいている、このスローガンはさをりの核であるとも言えます。
みさを先生を偲んで今一度、じっくりとかみしめたいと思います。

 

さをりの森で発行している「城みさをの言葉365日」~さをりの哲学【一日一言】~という本があります。
四つのスローガンだけではなく、みさを先生が感じたことや著書・講演会で発した言葉を、まとめている本です。

その中の一言をご紹介します。

いつ死んでも惜しくない。
57歳から自分のやりたいことをやってきて、多くの素晴らしい人々を見付けて、嬉しくて共に喜んで、そのあと誰からも、「さをりに出合って嬉しかった!私の人生は本当に楽しかった!」と、多くの人々から感謝された。
つくづく幸せな人生だったと思う。