あっという間に梅雨が終わり、蝉が賑やかになってきました。
森の木々を照らす太陽の光も眩しく、緑がとても鮮やかに見える季節ですね。

 

さて、6月ベガスは夏本番に向けての作品が多く集まりました。
綿やリネンの薄手で、Tシャツなどと重ね着できる服や、ボトムスも色々ありましたのでご紹介しましょう。今回はトップスです。

 

🍭ショートジャケット(綿・麻)スッキリと織り上げた織り布ですが、背中にスッと黒い線があるのはタテ糸を密に通して模様にしています。ウエストがキュッと締まっているのはストレッチ糸を追加したそうです。ただ、思ったほどストレッチ糸が縮まなかったので、ちょっとタテ糸を引っ張っています。

 

🍭細幅のベスト(綿・化繊)タテ糸を重ねて織っていき、途中で重ねた糸を切りながら織った布です。背中の右側が糸を重ねており、左側は重ねがなくなってタテ糸の雰囲気が違っています。途中でタテ糸を織り布の端に追加して、くるくる織りをしています。脇布が足らなかったので、細幅の布をあしらっています。

 

🍭マーガレット(綿)SAORIのお仕立て【中級編】のボートネック舟形ブラウスの予定で織ったものの、縮んでしまって計画変更。襟付きマーガレットの襟を左右で非対称の長さにして、ボタンで前を留める形にしています。二色交差が鮮やかですね。

 

🍭ベスト(綿・化繊)先月、ワンピースを仕立てた時に残った布と分け織りストールのコラボベストです。前回は分け織りストールを縦に使ってロング丈でしたが、今回は胸元で横に使ってショート丈にしています。
先月の作品

 

🍭ベスト(綿)織り布をあちこちをつまんだり折り込んだりして方向を変え、ノーカットの素敵なベストになりました。脇でフリンジを遠目に縫って、スリットが入っているので着やすくなっています。紺色が大好きな作家さんならではの色合いです。

 

🍭ブラウス(綿)先月のデザインがとても気に入ったので、同じ形で仕立てています。先月よりも少しショート丈で、織りの雰囲気や色合いが違うので、全然別物に見えますね。前後どちらでも着ることができる形で、胸元と後ろの裾に分け織りをしています。
先月の作品

 

🍭ベスト(綿・化繊)自分で着るには恥ずかしいピンク色なんですが…と出した作品はとてもキュートです。背中はピンタックで布幅を縮めて、カーブを着やすくしています。8歳のお孫さんが着るととても似合っていたんだそう。くるくる織りや絡み織り、擬似二重織りもしたのですが、擬似二重織りはしっかり隠れちゃったそうです💦

 

🍭ベスト(綿)以前仕立てたワンピースの残り布で仕立てました。いつもボリューミーなのでおとなしめに織ったのですが…最後の分け織りは大好きなたっぷりボリュームでストレス解消💙後ろ身頃の黄色や桃色は部分織りです。少し織って、私向きじゃない…と早々に終了しました。「3㎝はいきましょう」と突っ込みが入っていました。

 

🍭キャミソール(綿)キャミソールと言うべきかエプロンベストというべきか…120㎝の織り布で肩ヒモを付けたデザインです。後ろ身頃はホックで合わせています。肩ヒモは以前織った細幅の2色交差織りです。少しの布でも服ができちゃうさをりならではの楽しみです。Tシャツを涼しくオシャレに変身させられるデザインですね。

 

🍭ブラウス(リネン)バイアス仕立てのブラウスです。袖先は三角で下側が開いているので、先を折り返して五分袖くらいでも着ることができます。奥ゆかしい色合いの2色交差で色合いの変化を付けています。織っている時は夏のコートの予定だったそうです。丈が長くなったので、裾を切ってスヌードとして使っています。

 

さをり服でも布を斜めに使っている作品は、ハンガーに吊るしているとすっごい細身に見えるのですが、意外とすんなり着ることができます。
通常でも布地の織り目がゆったりなので伸び縮みしてくれるうえに、斜め使いはさらに伸び縮みして体に馴染みます。
ハンガーに吊るしているのを見るだけでは、その服の真価がわからないんです。

 

また、前後どちらでもとか上下逆もOKという服もあります。場合によってはどんな着方ができるか楽しんでくださいというような作品もあったりします。

 

どうぞさをり服を見かけたら、可能な限り試着をなさってご自身の体にどんな風に馴染むか確かめてくださいね。

 

さをりの森の2階ギャラリーでは常時、作品の展示販売を行っています。
ギャラリーで1人試着会をするお時間もたっぷり取ってご来館ください。

さをりの森は丘の上に建っているため、とっても見晴らしが良いのです。
天候が良ければ本州と淡路島をつなぐ明石大橋や、瀬戸内海が夕日でキラキラ光る様子が見えることがあります。
ご来館の際は糸だけではなく、森の木々や街並み、遠くの景色も眺めて下さいね。

 

それよりももっとご覧いただきたいのが、ギャラリーのさをり服や小物たち。
常時、展示販売をしていますが、こちらは見るだけでは本来の良さは伝わりません。
着る人の体型によっても見え方が変わりますので、ご遠慮なく試着をして下さいませ。

 

前回に引き続き、5月のベガス作品のご紹介です。

 

🍭ジャケット(ラミー・シルク)網代と千鳥の模様を織ったジャケットです。ラミー(麻)とシルクなのでさらりと着ることができます。薄桃色に見えるのはべんがら染めをした時の裂き布です。前の中央で素敵な模様になっており、布の端がチラリと出ているのが可愛いんです。

 

🍭ジャケット(ラミー・シルク)背中には着物を裂いた布をタテに入れ込んでいます。分け織りをした部分を前身頃にして、ブローチで留めています。ブローチの付け方によって雰囲気を変えて着ることができます。

 

🍭ワンピース(ラミー・シルク)上↑のジャケットと同じ布で仕立てたワンピースです。ジャケットは袖下をカットしているのですが、切り落とした布をこのワンピースの上側に配置しています。前裾の濃い赤は二重織りです。2枚綜絖での簡易な二重織りで、模様の位置をランダムに変えています。

 

🍭プルオーバー(綿)襟ぐりを丸くカットするのが苦手だから…と、襟元にリボンをあしらっています。袖が広めでふんわりとしているので風が入って涼しそうです。ボリューミーな重い布を織るのが得意な作家さんですが、今回は薄くて軽い♪私、こういうのも織れるんですと嬉しそうな笑顔で作品を披露していました。

 

🍭ワンピ―ス(シルク)ご自宅のシルクの棚を整理しよう!と織った布なんだそうですジャケットにしようと思ったものの、途中で計画変更。絡み織りで透かし模様を入れており、夏場に活躍しそうなチュニック丈のワンピースです。所々に二色交差で色の変化も出しています。

 

🍭ワンピース(綿・化繊)ストールを組み合わせた織り布で仕立てたワンピースです。前身頃の藍色や橙色の部分が分け織りをしたストールだったそうですが、どうも好きになれなくて。じゃあこれに合う布を織って仕立ててみよう!と、できたのがこの作品。今までとは雰囲気が違う色合いね~の声に「人間は進化するんです♪」と満面の笑顔で答えていました😊
 

 

🍭ロングベスト(綿・化繊)前身頃の天の川のような部分は別布で、水溶性シートに端切れを縫い付けてできた布?をあしらっています。前身頃の裾が織り始めですが、タテ糸がうまく巻き取れずに長さが違った部分を、分け織りで活かしています。

 

🍭ワンピース(綿)大好きなリボン糸をタテ糸に使い、はっきりしたタテ模様を創ったタテ糸で織った布から仕立てました。脇下の縫い目を極力フラットにするために、手縫いで耳綴じ(コの字綴じ)をしています。さをり織りは、織りも仕立ても作家さんの意向が満載なんです。

 

🍭ワンピース(綿)二色交差の部分を襟元で効果的に使った作品です。セットアップ風に見えますが、上側の布を少しかぶせるように上下を縫い合わせています。

 

🍭ワンピース。これはワンピースをワンピースにリメイクされたそうです。…?丈を少し短くして、落とした部分を付け襟にしています。その時々によって着たい丈やデザインが変化するんですよね。さをりの服はふんわりと体を包むようなデザインが多く、リメイクをしやすいようです。

 

🍭ロングベスト(綿)SAORIのお仕立て【初級編】に掲載の「Y型ブラウス」のロングバージョンです。柔らかな色合いの中に、さりげなく2色交差織りで色を変化させたり、くるくる織りでレースのような透かし模様を織り込んでいます。ラインがちょっぴりシャープに見えるのは、脇を突き合わせずに重ねて縫って、布端のエッジを立てているからかもしれません。

 

5月の作品はこれまで。
前回も書きましたが、やはり実物をご覧いただきたいなぁと思います。
それぞれのアイデアや工夫、こだわりが織り込まれており、見ているだけでワクワクします。
そして着るとさらにココロが躍り出すかもしれません。
試着して実際に躍り上がる人もいます

 

さをりの森へご来館の際はどうぞギャラリー作品に触れていただき、さをり服のぬくもりを感じてください。また、ご自身が織る時のワクワクの糧になさってくださいませ。

 

梅雨入りしたさをりの森では、体験織りで織る人も、織り人メンバーも、ギャラリー作品もすっかり夏仕様になりました。
そのギャラリーを彩っているのが、さをりの森のクリエーターであるベガスメンバーの作品です。
それぞれの個性で、その時その時の気持ちを込めて織って仕立てています。

とはいえ面白いもので、
タテ糸を掛けてから織り始めるまで
織っている間
織り上がってから仕立てるまで
それぞれで、気持ちのノリが違ってくることがあります。
そんな心変わりも人間ならば当たり前。
機械じゃない、人間ならではの心が垣間見える作品たちです。

 

🍭ボレロ(綿・化繊)タテ糸にストレッチ糸を入れてフリルにしたかったのに、縮みがうまくいかなかった布。ワンピースの上からちょっと羽織る時に涼し気なボレロになりました。写真で伝わるでしょうか、粒々とキラキラが素敵な星空の様です。

🍭ベスト(綿)ノーカットの作品です。胸元のベージュの部分は背びれ織りという技法。一生懸命に織ったのに、なんだか思ったようにならずベロベロしちゃったそうです。裾や後ろの襟でちょこっと飛び出している耳出し織りは、作家がさんが大好きな技法です。

 

🍭ベスト(綿・化繊)糸と打ち込みの強さを利用して織ったベスト。前も後ろも同じような強さで織っているのに、糸の形状の違いで見え方が全然変わりますね。

 

🍭ベスト(綿・化繊)網代織りと拡幅織りで織った布を組み合わせたベスト。肩の紺色の部分が拡幅織りで通常よりもグッと幅を広げて織っています。前後どちらでも着ることができるベストです。

 

🍭ベスト(綿・化繊)さをりの森のオリジナル部品・タテ糸ローラー巻きでタテ糸を、ヨコ糸はツブツブ糸を入れたりしたベストです。こちらも前後どちらでも着ることができます。

 

🍭キャミソール(シルク)ちょっと長めのストール、今回は2mくらいの布でできちゃうお仕立てです。参考にしたレシピでは前を縫い合わせる様になっていたのですが、ピンを共布で自作して、それで留めるようにしています。

 

🍭ストール(綿・ストレッチ糸)綿とストレッチ糸との2色交差をしたり、通常で織ったりと白を遊んだストールです。布の表面のデコボコや布端の波打った部分がストレッチ効果ですね。

 

🍭パンツ(綿)「明るいピンク」を心がけて織ったそうです。紫や水色の入り方がピンクの明るさを一層引き立てているように見えます。さをり織りではフリンジも素敵なアイテムになります。今回は腰でしっかりと揺れるように、裾ではチラチラと浸かっています。

 

🍭パンツ(綿)アイボリー系の夏に涼しそうなパンツです。前からの写真がなかったぁ😱こちらは後ろのポケットにフリンジを使っています。写真ではわからないのですが、スパンコールがさりげなくキラキラしているんですよ。

 

🍭スカート(綿・化繊ほか)実はこれ、何年も悩んでいるんです…と出されたスカート。タックをたくさんつけて裾周りを広げています。この紺だけだと寂しいかしら?と前側に別布をあしらっているのですが、大好きな紺だけあって別布も作家さんらしさがにじみ出ていますね。
 

 

🍭ベスト&パンツ(リネン)作品が返ってきたら旅行に着て行きたい!と思って仕立てたセットアップのベストには飴ちゃん※大阪は飴🍬をちゃん付けしますが入る小さいポケットを付けています。ボタンで前を留めるのですが、ボタンホールはフリンジなんです。裾側に付け足した布はパンツのお仕立てで出たハギレです。

 

さをり服のご紹介をするたびに思うのは、写真や文字では伝わりきらないということ。
画面を通すと色合いが違ってくるのはもちろん肌触りや着方、織り技法、仕立てのアイデアなどが書ききれない。
そして見る方の感じ方も、眺めるだけと着てみるのとでは変わってきます。
やっぱり、作品を実際に手に取っていただきたいなぁと思うのです。

 

そんな作品たちは、さをりの森2階ギャラリーにて常時、展示販売しています。
お問合せいただければサイズなどもお答えいたしますので、気になる方は電話もしくはメールにてお知らせ下さい。

☎ 0725-57-7022
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